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ロストバゲージ体験記と対処法 空港で荷物紛失!

      2019/02/22

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スーツケースが空港で出てこず、迷子になってしまったこと、ありますか。ロストバゲージ(lost baggage)とも呼ばれますが、その名の通り、預けた荷物が紛失したり、迷子になったりしてしまうことです。私は初めての海外一人旅の際、これを体験しました。

その体験談と対処法をまとめておきます。

スーツケースが迷子に

私はその日、初のヨーロッパ節約一人旅中。スペインからポルトガルの航空会社を使って(TAP)、水の都、ベネチアを訪れました。

私は長年、ベネチアに憧れていまして。「いつか行ってみたい!」と思っていたので、その日、ようやくその憧れの街に行けるとあって、本当にわくわくしていました。

そして、きっかり「punctual」(時間通り)に、いやむしろかなり早い時間にチェックインを済ませ、ひたすら待つ。

そして、搭乗、出発。一旦ポルトガルの首都、リスボンを経由したのち、これと言った不都合もなく、無事ベネチア、テッセラ空港(別名マルコポーロ空港)へ到着しました。感無量です。

早速、ベネチアの街を見てみたい!
期待に胸を膨らませ、速やかに、ほぼ一番乗りで、預けた荷物が出てくる所までたどり着きました。
あぁ、ベネチアってどんな街なんだろう!

空港から、早く外に出たい気持ちでうずうずしながら、預けた荷物が出てくるのをじーっと待っていました。

全くでてこない

そんな時にこそ、運命の神様は少し、いたずらをしたくなるのかもしれません。旅をより楽しく、思い出深いものにするために。

というのも、最初からずーっとじっと待っていたのですが、荷物が全っ然でてこなかったんです。

待てど暮らせどでてこない。他の人はみんなスーツケースを見つけて、悠々と去っていくのに。
あの時の取り残される感じの心細さといえば、半端ないです。私だけでしょうか。
「みんな、待って…」って知らない人に向かって、すがりたくなります。笑
帰らないで…。私の、出てこないのよ涙。

そしてとうとう、荷物を待つ人だかりは消え、残されたのは私と、イスラム系の頭に布を巻いた若いご夫婦だけになってしまいました。
どうやら、そのご夫婦の荷物もでてこないようでした。

もう少ししたら出てくるのかな~…とひたすら黙って待つ私の横で、そのご夫婦の、若い奥さんが、なぜか喧嘩腰な感じの英語で、私に話しかけてきました。
あなたの荷物もでてこないの?!」と。

勢いに若干驚きつつも、「そうなのです。あなたもですか。よかったです」という感じでのほほんと返事をすると、「何が良かったのよ」と言わんばかりに、鋭い目力で、彼女はこう続けました。

「もう全部、荷物出たって!!私たちのは出てきてないのに!どこに行ったのよ!」

え?もう少し待てば出てくるのでは?と、再びのんきなことを言う私を、奥さんは目力ビームで圧倒。

そんな彼女に言われるがまま確認すると、確かに、荷物の案内の画面には、「全部荷物出しました」という案内。そしてシレッと次の便の荷物の案内なんかが出されていました。

がーん。スーツケース、どこ行っちゃったの。
早速の荷物迷子。初めての荷物迷子体験

ということで、そのご夫婦と一緒に、空港の案内カウンターへ行くことにしました。

順番がこない

と、そしたら今度は、その案内カウンターが順番待ち
番号の書かれた紙を取って、待つスタイル。しばらく待たされる。
「これだからイタリア人は…」と毒づく強気の奥さんと、無口な旦那様と一緒に、じっと待つ。笑
まぁ、それ以外できることないですからね…。

ちなみに、この奥さん。終始なぜか喧嘩腰だったのですが、ただ、ただ一つ言っておきたいこととしては、むちゃくちゃ美人でした

目が本当に大きくて、瞳に吸い込まれそうになるような、整った顔立ち。笑
エキゾチックな魅力ってこういうことを言うんだろうな~なんて考えながら、私の方はヘラヘラと笑いながら会話しつつ。私のヘラヘラ度合いが気に触るのか、余計目力が強くなる奥さん。笑

…話を元に戻します。

やっとご夫婦の順番になり、そしてその後に、私の順番がようやく回ってきました。

「荷物が出てきません!」とカウンターに行って伝えると、中にいたのは、声の大きな陽気なおじさん。

荷物が紛失したと困っている私に、第一声

「はははっ!そうかそうか!」と笑い飛ばす。

そのおじさんの笑顔を見ていたら、私困ってるんだけど…なんで困ってたんだっけ…?って一瞬忘れそうになりました。笑
こっちまで楽しくなってきちゃう陽気さ。すごいですな〜。ラテンの国というのは。

「ははは!良かったね〜」

そんなおじさんに、どんな荷物?色は?形は?どのブランド?とかいろいろ聞かれて、紙にスーツケースの特徴や、どの便に乗ってきたのかなどを記入。

もちろん、荷物を預けた際にもらった紙も手渡しました。

おじさんがパソコンを使って調べてくれているのを、またひたすら待つ。ドキドキ。
するとおじさんが、しばらく中に入ったりパソコンをみたりして調べてくれた後に、一言。

「ははは!まだリスボンにあるって!」

…え?

一瞬リスボンってどこ?って思いましたが、私の飛行機が、リスボンの経由便だったことを思い出しました。要は、経由地で、私の荷物が取り残されていたっていうことですね。

見つかってよかった~!とホッと胸を撫で下ろしました。が、すぐに、いやいや何でやねん。と突っ込みを入れていました。いや、ちゃんと運んでもらわな困りますよ。

おじさんは、ひたすらニコニコ。

「場所が分かって良かったよ!ははは!良かったね~」。

良かった。確かに。うん。在りかが分かった、無事発見されたのは本当に良かったんですけど。

その時の時間は、まだ朝の早い時間
今日中には届けてくれるだろうと思い(そもそも今手元にあるはずのスーツケースですし)、「いつ届きますか?!」と訪ねたところ、ニコニコおじさん。鼻歌まじりに、
明日の午後に空港に着くみたい」。

ええええ!

おじさんの顔にピザを突っ込みたくなりましたが、おじさんは悪くない(と思う)し、この気持ちをどこに持っていって良いのかわかりません。ひとまず、大きな声で「もう少し早く対応してくれませんか。私、観光で来ていて、今日着いたのに、荷物ないと超困ります」と伝える。

いやだって、届くの遅いよ。24時間以上かかるんですよ。なんでよ?と。

今日の午後ではなく、明日の午後に、「空港に」着くと。
それから滞在しているホステルに荷物を送ってくれるので(そしてそれはありがたいですが)、私の手元に届くのは、明日の「夕方」らしい。

いや待って。服、下着、メイク用具。必要なものを全てスーツケースに入れてしまっていた私は途方にくれました。どうしろちゅうねん。
シャワーも明日の夕方まで浴びれんじゃん。(この時、汗を相当かいていた私は一刻も早くシャワーを浴びて着替えたかったのです。)

メイクもできないから、今晩メイク落として寝たら、明日1日ノーメイクで過ごすことになるよ…。(多くの女性には、これが地味にとても困るというか、テンションが下がることをよくわかっていただけると思います。)

しかも、これが最大の失敗だったのですが、私は荷物を極力軽くしたいという考えから、スマホの充電器を預けたスーツケースに入れてしまっていたんです。
スマホの充電器が、なかったら、充電ができない!地図すごく大事なのに、見られない!

しばらく「見つかったんなら、もっと早くスーツケース届けてくださいよ、必要なんです」とおじさんにごねてみたのですが、「いや、それが最速よ」とのこと。

えぇえ!と文句を言う私に、おじさんはキョトン顔。このキョトン顔がすごいんです。「お前の気持ちが心底理解できない」みたいな顔で私を見るんですね。

そして、そのおじさんの顔は、明らかにこう言っていました。

見つかっただけいいじゃん。何文句言ってんの?」。

細かいことをごちゃごちゃ言うな、シャワーなんて明日の夜に浴びれば良いだろ。明日届くんだから、問題なんて一つもないだろ、と。

そのおじさんの余裕の顔とずっと向かい合っていたら、私の疲れ気味の脳ミソは、おじさんの陽気さに影響されていき、「おじさんの言うこと…確かに一理あるな」と感じ始めました。
そして最終的には、「おじさん、すごいな。おじさんの言う通りだよ。」と感じるまでに至りました。

確かに、24時間以上時間がかかるってことで、これだけ不満に思うのは、日本の素晴らしいサービス、「Punctual」精神が見に沁みているからなんだな…と。そういうことって、海外では当たり前でないことが多いですよね。
そうだよな。私が贅沢でした。ごめんなさい。
見つけてくれて、送ってくれるだけ、十分じゃないか。

そして、いろいろ調べたのですが、私のように「預けた荷物が出てこない!」ということが起こった場合でも、大体は長くても数日の間に、かなり高い確率で見つかるようなので、あまりパニックにならず、きちんと「私のスーツケースが、出てこない。探してくれ」とはっきり伝えて、落ち着いて対応した方が良いようですよ。

特に、直行便でなかった場合は、結構、荷物の移動が間に合わなくて遅れるとか、そういう場合が多いみたいです。(そして、万が一、本当に万が一、見つからなかった場合も、航空会社によってはいくらか請求できたり、海外旅行保険などによってはある程度補償してもらえたりすることもあるようです。)

「シンパイシナイデクダサイ」

そんな感じで、おじさんの顔を見て和み始めていた所、横から日本語を少し勉強したことがあるという若いイタリアの男性が「シンパイシナイデクダサイ」と日本語で話しかけてくれたのが決定打になりました。
おぉぉ~!日本語上手じゃないですか!」と私が褒めると、私の声が大きかったのか、彼は顔を赤くして、恥ずかしそうに中の方に帰ってしまいましたが。
(こんなシャイなイタリア人男性、存在するんですね。笑)

よしっ。確かに、この彼もわざわざ日本語で教えてくれたんじゃないか。そうだそうだ。もう何を言ってても仕方がない。明日の午後には届くんだから、ここは折角の時間を楽しもう!

そのおじさんと若者のおかげで気分を切り替え、滞在する予定のホステルの住所を書き、スーツケースをここに送ってくださいと頼んで、おじさんにCiao!(イタリア語の挨拶、簡単でかわいいなぁ)と挨拶して、ようやくその場をあとにしました。

しかし、万が一、スーツケースが届かない場合はどこに連絡したら良いのか、その電話番号もきっちり聞いて、カスタマーサービスのメールアドレスも登録しておきました。これは大事ですよね。万が一のことを考えて、動けるようにしとかないと。特に一人旅の場合は、誰も助けてくれませんから、自分でやらないと。

そして、念には念を入れて、「頼むからしっかり届けてくれよ」と何度も何度も伝えておきました。

陽気なのは良いけど、ここはもう、しっかりはっきり伝えておかないと。おじさん、笑い声と鼻歌とともに、忘れちゃうといけませんから。笑

ちなみに、あの最初から最後まで喧嘩腰だった荷物迷子仲間の奥さんのスーツケースも、私と同じくリスボンにあったようでした。

そして最後に、「ひとまず、見つかって良かったわね。本当適当よね~。じゃ。あなたも気をつけてね」
と、おそらくあれが、あの奥さんの精一杯の笑顔だったのだろうという表情で、お別れを言ってくれました。私のヘラヘラ度合いでイライラしていたわけではなく、たぶんそういう性分の方だったんでしょうね!

そんな気の強い美人奥さんの、笑顔(のような表情)を最後に見れたのはラッキーだったし、おじさんと若者の明るさも吸収して、気をとりなおしていざ!宿泊予定のホステルへ。

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やっぱり遅いぜ

次の日。
案の定スマホの充電が切れ、地図が全く見れない状態で、ベネチアの凄まじい迷路のような街中で一人、何時間もさまよい続けました。笑

驚いたことに、ベネチアの街中って、こんな道が平気であるんです。笑

道ほっそ!!壁が高い!!でもみんな普通に歩く。

こんなすごく歴史のある街で、本当に素晴らしかったです。

けど、何度も道に迷いました。あんなに地図が必須の街だと思っていませんでした。同じ所何度もぐるぐるした。
スマホの充電切れで、地図が見られないのは、致命的でした。

1日目は、スマホもないので、記憶と紙の地図を頼りに、ひたすらさまよっていました。

そして、待ちに待った迷子のスーツケースのその後ですが。

翌日の夕方届くと言われていたので、早めに15時くらいからそわそわと連絡を待ってたんですが、音沙汰なし。電話もうまいことつながらず。笑

そうしたら、18時半頃に、無事ホステルに荷物が届きました!ほんっと、ぎりぎり夕方。笑

そして荷物が届いた後に、メールで「荷物送ったぜ(ドヤ)」みたいなのがきたんですけど、遅いですよ笑。もういいよ、知ってるよ。届いたから。笑

スーツケースとの久々の再会、その時の感動ったらなかったです。

あぁ、おじさん、みんな、届けてくれた人、ありがとう。泣

あぁ、一人で寂しかったろう。よく頑張ったね。取り残されちゃったね。傷が増えたね。会いたかったよ。とスーツケースにつぶやきました。久々に戦友と再会したような安心感でした。

荷物が迷子になった時は

ということで…まとめます。

もし荷物が出てこなかったら:
空港のLost and found(遺失物取扱所)、もしくは案内所のような所へ行って、尋ねる。

(わからなければ、空港の人に声をかけてみる。荷物が出てこず困っているのだけど、どこへ行けば良いかということを尋ねる。)

係の人に、荷物を預けた際に受け取った荷物札を渡して、しっかりスーツケースの特徴などを伝える。スーツケースの色や形だけでなく、ブランド(例えば、サムソナイトとか)なんかも聞かれたので、答えられるようにしておくと良いと思います。

英語が話せなくても、身振り手振り、なんならGoogle翻訳でもなんでも使って、コミュニケーションを取る。意見ははっきり、しっかり伝えた方が良い。話せなければ、紙をもらって、紙に書くという手もありでしょう。

荷物が見つかった後の対応も聞いておく。(荷物を送ってもらうのであれば、滞在先のホテルやホステルの住所を書く)。いつ届くのかもしっかり尋ねておく。

また、それが届かなかった場合は、どこへ電話もしくはメールしたら良いか、連絡先もしっかり聞いておく。

本当に万が一見つからなかった場合は、航空会社によってはいくらか請求できるところもあり、海外旅行保険などによっては補償してもらえたりするようなので、調べてみる。

という対処法を、今後の時のために覚えておこうと思います。

もし荷物が出てこなかったとしても、落ち着いて対応しましょ!

おわりに

その後、念願の再会を果たしたスーツケースから充電器を出し、充電切れのスマホに命を吹き込み、思い切りシャワーを浴びて着替えを済ませ、気分一新。
晴れやかな気持ちで、スマホの地図を見ながら、悠々と外に出たまでは良かったのですが、

また迷いました。

スマホの地図を見ているのに、昨日と同じくらい。相当迷いました。へとへと。
地図みてるのに、おかしいな。地図をみてても迷子になるか。

迷子になったのは、スーツケースだけでは済まなかったです。

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