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世界恐慌後の対応 ニューディール政策とブロック経済についてざっくりまとめてみた

      2019/01/24

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「コレ、学生の時習ったけど、結局どういう意味だっけ?」が多いことに気がつき、経済の勉強をし直しています。

今回のテーマは、1929年に起こった世界恐慌
ニューヨーク株式取引所で株価が大暴落、多くの企業が倒産し、銀行は閉鎖され…なんと、4人に1人の失業者が出たと言われている世界的な大不況です。
この世界恐慌が始まった10月24日は、『暗黒の木曜日』の呼び名を持つほどです。

さて。そんな世界的な大不況に、世界各国はどうやって対応したんでしたっけ?

その疑問の答えとして、細かく具体的に書いていくこともできるでしょうが…、とにかく難しいことは苦手ですから、まずはすごく基本的なところを見ていきたいと思います。

…ということで、学校で習った、『ブロック経済』『ニューディール政策』という世界恐慌を語る上でのキーワードについて、改めてまとめてみました。

アメリカの「ニューディール政策」

ではまずは、当時、世界経済の中心であったアメリカと、その背景から簡単に振り返っていきます。

1914-1918年に起こった第一次世界大戦で、戦場となったヨーロッパ。
結果、それまでのヨーロッパ(特にイギリス)の勢いは衰え、今度は代わりに、武器や工業製品を輸出することで利益を得たアメリカが世界経済の中心となっていきました。

1920年代、アメリカは戦後の好景気を謳歌していたんですね~。
しかし、1929年の10月に起こった世界恐慌で、事態は一変。

そして、何とか景気を回復させるべく、1933年にルーズベルト大統領によって打ち出されたのが、『ニューディール政策』です。

この『ニューディール』、「新規まき直し」という意味だと昔、学校の教科書で習いましたけど。これ、意味を教わってもイマイチ分かりにくいな〜と思っていたのを覚えています。

この政策はどんな政策かを、かなりざっくり書くと…

不景気で、何もせず放っておいても全然ダメだから、政府がどんどん市場に介入して、積極的に雇用を作り出したり管理したりしながら、回復させようぜ!

という内容でした。

そのため、この政策は「ケインズの理論」を取り入れたと言われています。

ちょっと待って。「ケインズの理論」って何だっけ?

…これは、イギリスの経済学者、ケインズさんが提唱した理論。

世界恐慌が起こるまで、世界経済は、イギリスの経済学者、アダム スミスさんの「国富論」に代表される古典的な、自由放任主義的政策(=市場は放っておけばOK! 「神の見えざる手」によって価格も調整されるから!) という方針で経済が回っていました。

その理論が、世界恐慌が起こったことで、崩れ去ることに。
「これ、放っておいてもダメじゃん!神の見えざる手、機能してないよ!自分たちで何とかしないとヤバいよ!」という事態になったんですね。

そこへ新たな風を吹き込んだのがケインズさんの理論でした。「政府がもっと積極的に市場に関与して、管理して、経済を活性化させていこう!」…と。画期的〜。

そんなケインズの理論を取り入れた、ニューディル政策。そういった意味で、従来とは違う「新しい=ニュー(new)」な政策だったのですね〜。

ただ、この「ニューディール政策」の効果としては「限定的だった」とする見方が強くあります。

アメリカ経済の回復に関しては、第二次世界大戦が起こったことが経済的に追い風となった、という要因もあるようです。
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第二次世界大戦に繋がる要因を作った「ブロック経済」

ではでは、「ブロック経済」の方は何でしたっけ?

こちらの政策を採用したのは、主にイギリスやフランスなどといった列強の国々。ブロック経済とは一言で言うと、「保護貿易政策」のことです。

例えば、イギリスは、イギリスとその植民地でブロック(経済圏)を作りました。

そのブロックの中の地域では、非常に安い関税で、沢山貿易ができます。
しかし、ブロック外の国、例えばドイツなどといった国からの輸入品には、高い関税をかけてしまいます。

そうすると…

ドイツ製の100円のペンには高い関税がかけられて、価格が200円になってしまいました。イギリス産のペンは、税金がかけられず100円のままです。

じゃあどちらを買うか?と言われたら…そりゃ、高いドイツのペンをわざわざ買う人は減り、安い国産のペンを買おう!という人が増えるのは当然のことですよね。

…こんな風に、輸入品に高い関税をかけることで、自分の国の産業を保護して生き残ろうとしたのです。

このやり方は、イギリスやフランスのような植民地を沢山持っている国にとっては良かった。資源が沢山ありますから。

イギリスのブロックのことをポンドブロック、スターリングブロック。
フランスのブロックのことをフランブロック。
アメリカのブロックのことをドルブロック。

結果、世界は経済協力を行うのではなく、ブロックに分かれて貿易を行うようになってしまいました。

そんな世界の状態に「ちょっと待って、お前ら自己中すぎるよ」となったのが、当時資源を持たなかった「持たざる国」ドイツ、イタリア、日本

資源がないので、そんな風にブロックを作って貿易をするなんてことができません。大変なことになってしまいます。

「イギリスやフランスらの『持てる国』は、ブロックの中で貿易してれば生き残れるかもしれないけど、「俺ら『持たざる国』はどうすればいいんだよ!」

事実、このブロック経済のため、世界貿易はがくっと減少。
(1929年からの4年間の間に世界貿易は70%も減少したとか…。)
失業者も何千万人単位で溢れます。

そして、これは本気でヤバい!生き残れない!となったドイツ、イタリア、日本は、自分たちも植民地=資源を確保するために動き出しました。

ドイツではナチスが権力を握り、東ヨーロッパへ進出。イタリアでもムッソリーニが結成したファシスト党が権力を握り、「ファシズム」が生まれました。日本でも「大東亜共栄圏」を構想、独自のブロックを築くために動き始めました。…具体的には、中国大陸侵略に乗り出したと。そして、1931年の満州事変、1932年の上海事変の後に1937年の日中戦争へと繋がって行きます。

ドイツ、イタリア、日本の当時の動きには、こんな背景があったんですね…。

そして、「持てる国」と「持たざる国」の対立はどんどん深刻化していき、とうとう1939年には、第二次世界大戦が始まりました。
そりゃ、ブロック経済をしていては、共存共栄とはならず、戦争の方向へ行ってしまいますよね…。
経済と世界情勢も密接に関係していることが、よ〜く分かります。

その後、1944年には、この「ブロック経済」が第二次世界大戦を引き起こす要因となったことを反省しよう!ということで、学校でも習った、「ブレトン=ウッズ会議」が開催されることとなりました。
歴史の流れでみていくと、繋がってきますね〜。

最後に

以上、かなりざっくり!まとめてみると…

★1929年に世界恐慌が起こったことで、経済の流れは 古典派 → ケインズ へ

★ニューディール政策=アメリカのケインズ的(=政府が介入し公共事業などを増やす)政策。

★ブロック経済=保護貿易政策。

→世界貿易が減少。資源がない「持たざる国」が非常に困ってしまい、第二次世界大戦が起こった要因の一つとなる。

→大戦を引き起こした反省を活かすため、ブレトン=ウッズ会議(自由貿易や国際金融体制についての会議)が1944年に開かれた。

うん。昔習ったんだけれど、かなり忘れてしまっています。ということで、まずはざっくり理解することが必要ですよね。

ニューディール政策とブロック経済。今後、もっと細かく理解していければと思います。ちゃんと過去を理解して、そこから考えて今に活かしていきたいです。

歴史も経済も、色んな要素が絡み合っていて、複雑にしていくとどんどんややこしくて難しくなってしまうけど…。そういった所が、とても興味深くて面白いです〜。

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