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ギリシャ危機の大まかな流れと基本的な情報をまとめてみた

      2019/02/18

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「ギリシャ危機」について、0から、基礎中の基礎を勉強し直します。

ギリシャ危機って、なんでしたっけ?

まず、一言で説明してみると…

ギリシャ危機は、2007-08年のリーマンショックに続いて起こった、ギリシャを発端として起こった一連の経済危機のこと。2009年、ギリシャ政府による財政赤字の隠蔽が発覚したことから表面化した。

…こういうことは、なんとなくはわかっているんですけど、もう少し具体的に、時系列で追ってみていきます。

まず、そもそも。この危機が起こった「ギリシャ」ってどんな国でしたっけ?

「ギリシャ」について

世界地図をひろげてみると…地理的にギリシャは、ヨーロッパ南東部に位置していて、アジアやアフリカへの、まさに入り口のようなところにあるんですね。地中海、イオニア海、エーゲ海に面していて、たくさんの島があります。

面積は、日本の約3分の1程度(約132000平方キロメートル)しかないそうです。

人口は、2015年のIMF予想値だと約1081万。2017年のデータでは1077万人となっているものもありました。だいたい1000万人~1100万人の間くらいですね。
数値だけではピンとこないかもしれませんが、日本の人口が2017年で約1.268億人ですから、面積と人口で比べると、かなり小さな国ということができそうです。

では、そんなギリシャの首都はどこかというと、「アテネ」ですよね。
では、ギリシャ、アテネといえば?
「古代ギリシャ」が、とても有名ですよね~。

アテネは、古代ギリシャ(ギリシア)の代表的な「ポリス」であったといわれています。

…さらっと書きましたが、「ポリス」ってなんでしたっけ?

ポリスは「都市国家」と訳されるようですが、ざっくり書くと、市民によって民主政が行われた政治形態、そんな風に市民によって運営されていた都市国家を指すようです。
王族や、貴族によってではなく、市民によってというところが、現代の民主政治にも通じる、大事な基盤を作った!ということも言われていますよね。すごい!

そして、そんな大きなポリスであったアテネに、紀元前5世紀頃に作られたのが、かの有名なギリシャの世界遺産、「パルテノン神殿」
ちょうどこの、紀元前5世紀~4世紀あたりが、古代ギリシャの文化的な最盛期だったようです。ギリシャ建築や彫刻が花開き、ソクラテスといった哲学者たちも活躍するなど、今もとても有名な、ギリシャ文化、芸術の数々が花開いたんですね〜。

その後、紀元前2世紀頃にはローマ領となって、そこからはローマ帝国の時代になっていきますから…。ギリシャの文明は紀元前に栄えた、まさに古代の文化、文明。(ちなみに、『紀元前』の時代の数え方は、5世紀の方が昔で、2世紀の方が今に近づいていくんですよね。「紀元前」は、言うなら「0」より前の時代なので、数字のマイナスの数え方と似ています〜)

そんなとても古い歴史のある街、アテネ。

古代の歴史を感じようと、たくさんの観光客が毎年ギリシャを訪れているようですよ。
2018年はなんと3200万人の観光客が見込まれていて、この数はこれまでで最高という記事が、英語のサイトでもたくさん出ていました。
(ちなみに「statista.com」によると、ギリシャの観光客数、2016年は約2370万人、2017年は約2600万人だったようです。増えていますね~)

観光客が増えるのは経済的には良いことでしょうが、数が多すぎて「overtourism」(観光客の数が多すぎる状態)状態になり、ギリシャは対処しきれないのではないか?という懸念もあるようです。

…ということからもわかりますが、なんといってもギリシャの主な産業は「観光」なんですね。そして、海に面する国ですから、海運業も盛んです。

以上、これだけの情報でも分かるように、美しい海や世界遺産に恵まれているので、観光客もたくさん訪れるし、地理的な条件としては、素人目に見て、とても良さそうですが…
経済的には、うまくいっていなかったんですね。
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経済的には?

経済の問題が発覚したのは、リーマンショック後の2009年。これからの一連の流れが「ギリシャ危機」と呼ばれている、と。

この時、ギリシャ政府がこれまで発表していたよりも、実はもっとギリシャの財政赤字が多くて、経済がひどい状態であることが発覚しました。そして2010年にかけて、世界的にそれが表面化していき、ギリシャ国債が暴落。ギリシャはユーロの一員なので、ユーロも下落して…その混乱の影響が波及していった…と。

こうやって知っていくと、そうか~。それは大変だわ。赤字隠すのはまずいでしょ。という感想を多くの方が持つと思いますが…
ちょっと待ってください。

そもそも、ギリシャの財政赤字が膨らんだ、危機的な経済状況になってしまった原因はなんなんでしょう?

危機の原因は?

これ、ギリシャ政府自体の問題が、よく言われていますよね。

一番よく言われるのが、「年金制度」の問題。
ギリシャでは、EU諸国の中でもかなり年金制度が優遇されていた、早くからたくさんもらえるようになっていたんですね。(年金に費やされるお金をGDP比でみても、EU諸国のなかでも、相当高い数値だったようです。)
当然、財政を圧迫してしまいますよね~。

この他にも、「これじゃあ財政赤字が膨らんでも仕方ないよね~」「政府としてやっていけないね~」ということが、たくさん出てきた。

例えば、「公務員、多すぎるよね?」ということも一つ。公務員多すぎて大変!
他には、「そもそもギリシャ政府が申告する統計の数字が信頼できない」とか。
(例えば財政赤字GDP比は98年、2.5%といっていたけど、あとから4.3%に変更。ユーロに参加するためには3%以下じゃないとダメという基準があったけど、それも満たしていなかったことがわかった…、などなど)

ギリシャ政府に問題があったことは間違いないようですが、ギリシャ政府の問題以外にも焦点を当てるとすると?

ギリシャはEU(欧州連合)のメンバーで、共通通貨「ユーロ」を使っていますから、国にあった金融政策ができない!とか、そういうことも挙げられるようです。

例えば、ギリシャとドイツでは全然経済状況が違うんだけど、同じ通貨のユーロを使っていることから発生する問題などです。

少し考えてみれば、確かに。「ユーロも難しいこと沢山あるんだろうな~」って思いますよね。

…しかしここは、とりあえずユーロからギリシャ危機に話を戻します。

大まかな動きを把握するために、ギリシャ危機の流れを時系列に沿ってみていきます。

大まかな流れ

まずは、2010年の1月。財政状況の悪化が表面化して、ギリシャの経済状況が想像以上に悪くなっていたことに、皆が驚いていた時期です。

この後、ギリシャ国債の格付けが相次いで引き下げられ、「これは…マジでギリシャ財政破綻するかもな…」と多くの人が不安になった結果、ギリシャ国債が暴落
そしてこの時に、IMF(国際)とEU(特にドイツ)からの第一次支援が決定されました。

ギリシャ政府は、緊縮財政(政府の支出を厳しく減らす)へ。金融支援を受ける代わりに、厳しい条件、改革を実行する必要があったんですね。

確かに、お金を支援する側としても、ただ「はい、どうぞ」って渡すだけというわけにもいかないですよね。

ただ、大変なのは、国民の人達です…。景気は落ち込み、失業率は上がり、国民の生活は苦しくなる一方でした。そのため、デモや暴動もたびたび発生したようです。

この時期に書かれた、The guardianの記事から引用してみますと…

『How did the Greek economy get into such a mess? 』
(2010年、イギリス、The guardianの記事より)

ギリシャ経済は、どうやってこれだけの窮地へ?」という感じの意味ですね。

どうやったらこんなにひどい状態になるのよ?と。う〜ん。事の重大性が伝わってきます。

そんな大変な状態が発覚した結果、支援を受けながら、緊縮財政を開始した、そんなギリシャはどうなっていったのか?

5年後の2015年

総選挙で「反緊縮派」のチプラス政権が誕生し、欧州中央銀行(ECB)からの金融支援が終了する時期でもあり、「これからどうする?!」っていろんな議論がされていた、変化があった年なのですが、国内の様子はどうなっていたのでしょうか?

『Banks to stay shut, capital controls imposed』
(2015年、6月のBBCより)

『銀行は休業継続、資本規制実施』

2015年の6月28日、銀行も休業。この記事によると、7月7日まで銀行が休業する、とのこと。そして、「資本規制」も行われていたようです。

ちょっと待って。この「資本規制」ってなんぞや?というのは、資金が国外に急激に流出するのを防ぐために、それを制限する規制のことで、過去にもアルゼンチンなど、金融危機に陥った国で行われてきたようです。

具体的にギリシャではこのとき、「1つの口座から、1日に引き出せるのは最大で60ユーロまで」とか、「必要不可欠、もしくは事前に認可を得た商取引以外での、海外への現金の移動は禁止」といった資本規制が行われたとか。

ちょっと想像がつきませんが…。これは…。生活が大変なことだったでしょうね…。銀行も休業状態で。
本当に、大変な事態です…。

そして、2015年の7月。

緊縮財政策(政府の支出を減らす)を受け入れるか否か?についての国民投票があり、ギリシャの人々は緊縮財政策「反対」に投票。

が、ギリシャ政府。ユーロ圏に残りたければ、財政改革を受け入れるしかないところまで追い詰められていたようです。
結局は、財政改革をすすめることになりました。
そして、改革を受け入れるかわりに、融資を受けることができたため、当面の危機を回避。

お金の支援を受けるには、改革を受け入れなくてはならない。でもその改革は厳しいもので、国民の生活は苦しくなる一方だから、国民は「反対」。
でも結局は、融資を受け、改革を進めることになったと。

そして、2年後の2017年。

再び、ギリシャ議会は追加融資を受けるための条件である改革法案(年金削減や増税など)を可決。

なんとか支援を受けて少しずつ改善してきた、という感じに見えますね。感覚がつかみにくいですが…

2017年、7月の時点でギリシャ危機について書かれた記事を、The Guardianのサイトから引用しますと…

‘People can’t see any light at the end of any tunnel’

『国民はトンネルの向こうに、一筋の光も見つけられない』

…。かなりネガティブなタイトルです。ギリシャの人々の生活がどれだけ大変だったかを感じさせます…。

「statista.com」で再び調べてみますと、2017年の時点で、ギリシャの失業率はEUの中でも最も高い、21.41%でした。(2013年にはさらに高い、27.47%を記録していましたが)

ちなみに日本の失業率は2017年、約2.8%のようです。他の国、アメリカやドイツ、イギリスなども全て、ほぼ一桁ですから、さすがに、20%超えというのは…。相当に高い数値であることがわかります。

危機が始まって以来、ギリシャは、EU諸国(特にドイツ)やIMFから、大きく三度に渡る支援を受け、そのかわりに政府は緊縮政策を行い、経済的な混乱をおさめようとしてきた、というのが大まかな流れですね。

そして、2018年6月

一応、ユーロ圏財務相会合で「ギリシャ財政危機」の「収束」が宣言され、8月に、なんと8年ぶりに、ギリシャは金融支援から脱却

“EU says Greece can ‘finally turn the page’ as bailout ends”

(2018年、8月20日のThe Guardianの記事より)

『金融支援が終わり、ギリシャは「ついに新しいページへ進むことができる」とEUが述べる』

まだまだ最近の動きですが。…今後、どうなっていくのでしょうか。

そして、このギリシャだけでなく、EUのなかで言えば、イタリアやスペインといった国の経済も厳しい状態であり、問題視されているようです。

さらには、イギリスのBREXIT(EUからの脱退)も2019年に予定されていますから…。

EU圏もどうなっていくんでしょう。

いろんな要素が絡み合っているから難しいけど、面白いですね~。

おわりに

ドイツ人に、このギリシャ危機についてどう思っているか?と聞いたことがあるのですが、その人は「ギリシャの人達は働かないからだ」と不満を口にしていました。

だけど、失業していたら、働けないしね…、難しいですよね。

ドイツ人は勤勉な国民性で有名ですが…。ヨーロッパと一口に言っても、国民性も全然違うようですから、立場によって、いろんな意見がありそうですね。

もう少し勉強して、このギリシャ危機から学べることをもう少し見つけられると良いのですが…かなり大まかなアウトライン、出来事だけ。かなりざっくりと流れを追ってみました。少し全体の流れが見えた感じです。

日本にも活かせることを見つけられたら良いなぁ。

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