海外留学の友情エピソード 掃除の時間がない!
2020/09/30
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留学をすると、いろんな人や出来事に遭遇しますが、結構なインパクトがあったのが、「掃除の時間がない」ということでした。
日本の学校では、小学校、中学高校も、基本的に「掃除の時間」がありますよね。
面倒だなあ〜と思いながらも、色んなところを当たり前に掃除してきましたが、国にもよりますが、「掃除の時間」がない学校も多いようです。仰天しました。
お掃除の人が別途雇われているので、生徒が汚しているのに、その汚れを自分達で掃除をすることがないんです。
学校には寮があったのですが、寮でも、掃除の人が来てやってくれていました。
掃除の時間があったらあったで、超面倒くさい…と思っていましたが、それがなくなって初めて、「生徒が自分で綺麗にする」っていうのは本当に必要だったんだなと実感。
というのも、自分で掃除しないからか、学校の汚れようが凄まじいんです…。
とんでもない大きなサンドイッチがぐちゃっと落ちていたり、ゴミが全くゴミ箱に入っていなかったり。そのへんに平気で捨ててしまったりするんですね。
トイレにしても、とんでもない汚い使い方をされていたり、壊されていたり。
そういうのを見るたびに、「いやいや、掃除の人雇っちゃダメだろ。自分たちに掃除させるべきだろ」と密かに思っていました。日本人は綺麗好きだと言われていますが、やはり掃除とか、そういうのはきちんと自分たちでする、そういう心を教えてもらう教育って、とても大切だなァと感じました。
そして「壊される」ことに関して言えば、自動販売機が日本は多くて有名ですが、海外の多くの国では、すぐに壊されてお金を取られたり、落書きされたりしてしまうと聞いて、驚きました。
日本の当たり前は、当たり前じゃないんですよね。安全な国に住めるってすごくありがたいことだし、このまま守っていきたいです。
掃除のおばさん
そしてこの「掃除」と関連して、この先もずっと忘れないであろう、優しい気持ちになるような出会いがありました。
寮にいつも来てくれていた掃除のおばさんです。
私たちが学校に行っている間に寮の掃除をしてくれていたので、全く会う機会はないのですが、朝学校へ行くのが遅くなると(遅刻をすると笑)すでに掃除に来てくれていて、トイレなどで、ばったり会うことがありました。
ブロンド、青い目、ショートカットの、とてもcuteな可愛らしい方でした。年齢は、40代くらいだったでしょうか。可愛いだけじゃなくて、愛想もよくて、いつもニコニコしていて、なんかもう「こんなに出来た女性がいるだろうか」と思うおばさんでした。
というのも、前述したように、自分たちが掃除するシステムじゃないからか、どう手をほどこして良いかわからないレベル、「嘘でしょ」と思うくらい、寮の汚れようが半端ない時がよくあったのですが(特に水場。日本では想像できない感じ)、次の日に学校から帰ってくると、また綺麗に掃除されているわけなんです。
掃除してくれているおばさんに申し訳ないな…と思いつつも、その方はいつも嫌な顔一つせず、綺麗に掃除してくれていました。
そうやっていつも気にして見ていたからか、この彼女とたまに顔を合わせると挨拶をするようになり、お互いの名前を呼んで、色々と話をするようになりました。
会うたびに、いつも明るく「元気?!」と声をかけてくれて、落ち込んでる時とか、心細い時にも、すごく温かく有り難い存在でした。友情っていろんな形で存在するんですね…。
そのおばさんが担当の日は、いつも他愛ない話をして、学校に遅刻気味で出発していました。笑
そして、そんな日々も瞬く間に過ぎ、卒業間近。
忙しくなってきて、もうすぐ寮を出るという時に、ぱったり彼女と会いました。
「いつ出るの?卒業おめでとう。」と声をかけてくれるおばさんと言葉をいくつか交わした後、これが会えるの最後かもなぁ…と、ふと気がつきました。
「いつも綺麗に掃除してくれていてありがとう、ホントに感謝してる」という気持ちを伝え、思い切りありがとうを伝えると、凄く驚いたように目を真ん丸にして、ohhhh!と、本当に嬉しそうにして、涙ぐみながら、ハグをしてくれました。
このハグは忘れられません。
私が感謝の言葉を伝えたら、あれだけ嬉しそうにしてくれたのを見るに、きっと、そうやって感謝の言葉をもらうことが少ないんでしょうね。あんなにいつも綺麗にしてくれているのに。
自分たちが汚しているのに、誰かにそれを任せるのって、やっぱり、おかしい…よなぁ。特に、学生時代にそれを教わっておくのって大事なことなんだなぁと、この時気がつきました。
「自分で汚したところは自分で掃除する」って。でももちろん、それがいつもできるわけじゃなくて、このcuteな彼女みたいな方々、色んな人にも助けてもらいながら生きているので、感謝を忘れずにしたいなと思います。
この彼女とは、ハグをした後、さようならの挨拶をしました。これからも、頑張ってね、って明るく言ってくれました。
あれから何年も経っているのに、この場面を、私は思い出すたびに、とにかく切ないです。
一期一会、ってありますが、本当にそんな言葉が頭に浮かびます。
あれっきり、もう会えることは無いでしょうし、年も国籍も背景も文化も言葉も違う私達でしたが、何とも表現の出来ない感じの、温かい友情を感じました。
何か通じるものがあって、それが、本当に少しだけの接点で、過ごした時間も本当に少しで、お互いのことを何も知らなくて、本当に少しなんだけど、印象にものすごく残っている一瞬って、こういう時のことを言うんだなって思います。本当に、年齢も国籍も文化も言葉も、過ごした時間の長さも、何もかもが関係ないなぁって、しみじみ思える出来事でした。
留学をしたことで、宝物みたいな出会いがより増えたように感じます。
この出会いがあってから、駅のトイレとかを一生懸命掃除してくれている方をみると、尊敬の念がこみあげます。私もそういうことができる人になりたいなぁと思って…まだなれていないですが、頑張るぞ。
人がやりたくないこと、掃除を丁寧にやって下さってる方々と、綺麗に使おうとするみんなの意識。色んなことのお陰で、日本は、本当に綺麗でありがたいです。
いつもありがとうございます!