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金本位制とは?その自動調整作用と歴史を簡単にまとめてみた

      2019/01/25

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コレ、学生の時習ったけど、結局どういう意味だっけ?」が多いことに気がつき、経済の勉強をし直しています。
今回は、「金本位制」について、まとめてみました。

金本位制とは、その名前のまんま、「金貨を、通貨価値の基準として使おう!」という制度のこと。

私達が毎日使っている紙幣は、中央銀行(日本で言うと、日本銀行)が発行していますよね。

では、その「信用」はどこにありますか?その「価値」の裏付けは何?
特に、他国との取引、貿易をする場合、ぜんぜん知らない、初めて聞くような通貨だった場合「おいおい、この通貨なんだよ?信頼できるのか?」ってなりますよね。

紙幣が「ただの紙切れ」になっちゃうと困るので、きちんと信用のある、価値がなくならないお金であることがとっても大切になります。

どうやって「紙幣」としての価値を持たせるか?

その答えが、金本位制のもとでは、「」なんですね〜。

金本位制のもとでは、「この紙幣は、同じ価値の金といつでも交換できるよ!」という、「兌換紙幣」が発行されます。

兌換(だかん)、という言葉が難しくて敬遠されがちですが、兌換の意味は「引き換え」
兌換紙幣とは=金と交換/引き換え可能な紙幣、という意味ですね。

「いざとなったら、金と交換できるからね。」
という保証がされている兌換紙幣は、金の価値に裏打ちされ、みんなの信用と価値を保っていたんです。

ですから、この金本位制のもとでは、中央銀行に発行した分の紙幣と同じ価値の金を常に保管しておく必要がありました。
じゃないと、「この紙幣と金を交換してください!」と言われた時に交換できなくなっちゃいますからね。

金本位制の自動調整作用って何だっけ?

さて、そんな金本位制には「自動調整作用がある」ということをよく聞きますが…。
自動調整作用って何だったっけ?…というのを見て行きます。

金本位制では、貿易の輸出入の差額が金で決済されていました。

これはどういうことかというと…

貿易赤字の時(輸出より輸入が多い場合)は、売る分より買う分が多いので、当然払う分が多い。その分をで支払います。
そうすると、金が国内から出て行きますから、紙幣の流通量が減ります
(金本位制では、金と交換できる兌換紙幣が発行されていますから、金の量が減れば、同じように紙幣の流通量も減りますよね。)

お金の量が減るので、国民の所得も減って、不況気味に…。そして、物価も下がります。
そうすると…不況だし、輸入は減りますよね。

一方、貿易黒字の時は、輸入より輸出が多いので、当然収入が増えます。その差額分の金が入ってきて、紙幣の流通量も増えます
お金の量が増えるので、国民の所得も増えて、好況になります。そうすると、物価が上がり、需要が増えて、輸入が増えて行きます〜。

輸入が多かった国では輸入が減り、輸出が多かった国では輸出が減る。
勝手に貿易収支のバランスがとれるんですね。!

これが、「自動調整作用」だと。
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金本位制の歴史

では、今度は歴史を少しさかのぼってみてみます。

18世紀まで(西暦1701年から1800年までの100年間を指します!)は、銀と金が、今で言う「お金」の役割を果たしていました。

貴重だし、腐ってダメになったりしにくいし、薄くのばしたりもできて、分割もできるから、非常に交換がしやすかったんですね。

だけど、大銀山が発見されてから、銀はあんまり貴重じゃなくなってしまい、銀の価値は大暴落。その結果、銀ではなく金だけが残りました。

それから、最初に「金本位制」が始まったのは1816年のイギリス

19世紀(1801年から1900年まで)が始まって、産業革命をいち早く達成したイギリスは、広大な植民地を持っていました。その広大な植民地(特にインド)から豊富な金が集まっていたので、それを裏付けに金本位制を始めたんですね。

1844年には、金と交換できるよという兌換紙幣の「ポンド」を発行します。
「ポンド」はイギリスのお金の単位で、日本で言う「円」ですね。
そしてイギリスはこの時代、「世界の工場」とも呼ばれるほど発展し、世界経済をリードしていきました。

このイギリスのポンドを中心とする金本位制は、1914年の第一次世界大戦まで続きました。

(イギリスの金本位制は約100年間も続いていたんですね!イギリスは広大な植民地を持っていたことで、安定した財政基盤が確立されていたということが言えるようです。)

そして第一次世界大戦の後、1925年に、イギリスは再び金本位制を復活させましたが、世界恐慌(1929)からの金融不安を受けて、1931年に再び金本位制を停止。
この時、イギリスの産業の衰退や植民地の離反、独立などで、イギリスの勢いは明らかに弱まっていました。
その後、1933年には大国のアメリカも金本位制を停止し、世界の金本位制が崩壊していくこととなります。

…そしてその後、1944年にブレトンウッズ会議があり、一旦は「金ドル本位制」になったものの、結局アメリカでも金が足りなくなっていった結果…

世界は、管理通貨制度に移行しました。

現在は管理通貨制度

世界は現在、管理通貨制度となっています。
これはその名の通り、中央銀行の管理の下で紙幣の流通量を管理しようというもの。
これなら、経済の規模が大きくなっても、金の量に関係なく流通量を管理することができます。
ただ、紙幣は「不換紙幣」、金と交換できない紙幣として発行されています。

では、この紙幣に価値をどうやって持たせているの?
金本位制の時は、「金と交換できるので紙切れにはならないよ」でした。

今は、国の「信用」です。
「日本国がこの紙幣の価値を保証しますよ」。
そのため、国が破綻したりしない限り、紙切れに変わることはないと。

ですから、世界情勢によって、その時々に安全な、信用できる資産であると円が判断されれば円が買われ、円高になっていきますし、何か日本にリスクがあり安全でないと判断されると円は売られ、円安になっていきますよね。

早足ですが

以上、金本位制とその自動調整作用、さらにはその歴史について、大雑把にまとめてみました。
こうして見て行くと、歴史の中でどう経済が動いてきたかが少し見えてきました。もっと詳しく知りたくなります。

色んなことに好奇心を持って、考えていけたら良いなぁ。

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