Video Killed the Radio Star(ラジオスターの悲劇)とBugglesの魅力を語る
2020/11/05
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“Video Killed the Radio Star”(ラジオスターの悲劇) は、イギリス出身、Buggles(バグルス)の1979年のヒット作です。Bugglesやこの曲について、まとめていきます。
この曲、大流行しました。懐かしい!って思う方も多いはず。
最初に聴いた時から、なんだか頭に残って、知ってる!というか、懐かしい!というか、好き!と思いました。何でしょうか。それだけキャッチーな魅力のある1曲では。
多くのアーティストによってカバーされていて、「タイトルは知らなかったけど、聴いたことある!」って方が多いはずです。
1981年の8月1日、MTVによって放送された最初のミュージックビデオ(!)がこの曲だったことでも有名なようです。時代を感じますね〜。
では、早速。この曲を歌っている”Buggles”について。
「自分で、売れるものを作ってやる」
Bugglesと言うと、デビュー曲のこれがいきなり超ヒットした!みたいな、「苦労知らずバンド」的な印象を持ってる方も多いと思うのですが(というか私がそうだった)、実は全然そんなことなかったのですね。ゴメンナサイ!
Bugglesの一人、Trevor Horn(トレヴァー・ホーン)は、Bugglesを始める前まで、“a sort of loser record producer”=「売れないレコードプロデューサー」だったそうです。
4年以上も誰かのレコードを作っては、全く売れずお金にもならず…。
そんな生活に嫌気がさして、「だったら自分で、売れるものを作ろう」と決意して作られたのがこの曲なんだそうですよ。4年以上、不遇の時代を経験して一大決心をされたのですね。
自分で売れるものを作ろうと思って、実際に作れるのが凄いですけど。
しかも、「売れる」っていうのにも、レベルが違う。世界レベルで売れちゃってね。どんだけ凄いの。
そんなTrevor Hornさんの言葉をSongfacts.comより引用してみると…
Eventually I got so fed up doing things that weren’t successful I decided that if I couldn’t find a good artist and a good song then I’d write it myself and become the artist, so I wrote this song called ‘Video Killed The Radio Star’ with Bruce Woolley.
訳してみます。…『失敗作ばかりなのにほとほと嫌気がさして、良いアーティストを見つけられないなら、自分で曲を作ってしまえば良いと思い、自分でアーティストになることを決意したんだ。 それで、Bruce Woolleyと「ラジオスターの悲劇」を作ったんだよ。』
これ…本当に何度も思いますが、良い曲を見つけられないなら自分で作ってしまえということで、出来てしまうんだから凄いですよね。 4年間、下積みというか、苦労した経験があったからこそなんでしょうか。
このエピソード、「やっぱり何事もすぐに諦めちゃダメなんだなー!」と教えてくれますね。もしトレヴァー・ホーンがこの時、4年経たずに、「もうこんな仕事辞めてやる!」って辞めていたとしたら…、これだけヒットする曲が作れたかどうかは分からないですもんね。
…と、最初は思っていたのですが。
…知れば知る程、やっぱり「4年の苦労経験がなくてもこれだけのヒット曲をトレヴァーさんなら作ったのではないか」という思いに駆られることになりました。笑
というのも、その後、トレヴァーさん、超成功されたんですよ。超多才。
…「良いアーティストに出会えず嫌気がさしたから、自分がアーティストになってしまえ」ということでこの曲を作り上げ、大ヒットさせたトレヴァー。
その後は、”Buggles”としてというより…「音楽プロデューサー」としての成功をおさめ、多くの有名ミュージシャンのヒット曲をプロデュースしています。彼がプロデュースしたアーティストは、ポール•マッカートニー、Pet Shop Boys、Frankie Goes to Hollywood等等…錚々たるメンバー。
そんな功績から…トレヴァーは… “The man who invented the Eighties” 「80年代をつくった男」と呼ばれることもあるほどです。
これ、凄いですね。「80年代をつくった男」!
…ということで。
トレヴァーさんの溢れんばかりの才能を感じ尊敬しつつ、語って行きます。
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バンド名の由来は?
ではでは。バンドの”Buggles”という名前の由来は何でしょうか?
これは、… 曲は失敗作ばかりなのに、カッコイイ名前をつけているバンドを沢山みてきたことにも嫌気がさしていたトレヴァーが、自分の名前には出来るだけ最悪の名前を付けよう!と思っていたことから選ばれた名前なんだそうです。
すっごく自由ですね。発想が人と違います。
大事なバンド名。普通、殆どの人は、必死に考えて、できる限りカッコいい名前にしたくなると思いますが、トレヴァーさんは逆に、最悪な名前つけてやるぞ、と。発想が普通じゃないですよね。でも、良いですね。かっこいいです。
また、最初は”Buggles”でなく、『レコーディングスタジオに住み、混乱ばかりを生み出す架空の生き物』という意味で”The Bugs“という名前だったようですが、誰かがジョークで、「The Bugsでは、The Beatles(ビートルズ)ほどは絶対売れない」と言ったことから、The Beatlesと語呂が合う”The Buggles”になった…というエピソードもありました。
このエピソードの真偽の程は分かりませんが、おもしろいですねぇ。確かにThe Beatlesとちょっと音が似ています。
テクノロジーが全てを変える…
では次は、この曲「ラジオスターの悲劇」について語って行きます。
タイトルだけ見ると、どういう曲なんだろう?って興味が湧きますよね。
この曲のアイディアや、どうやって生まれたのかについては、”I Want My MTV”という本から、Trevor Hornさんの言葉を引用してみます。
It came from this idea that technology was on the verge of changing everything.
It felt like radio was the past and video was the future. The was a shift coming.
訳してみると…「この曲は、テクノロジーが全てを変えてしまうというアイディアから生まれた。ラジオは過去で、ビデオは未来だった。変化の時が来ていたんだ。」
テクノロジーがもたらす生活への変化、過去と未来…まさに60年代、70年代の時代の流れを反映して生まれた曲なんですね。
というか、着眼点、目のつけどころも素晴らしいですよね…。テクノロジーに着目するなんて。
過去のラジオの良さ、ビデオの誕生によって訪れた、映像の世界。廃れたテクノロジーと新しい時代、ラジオスターを知らない子供達。
そして今では、「未来」だった「ビデオ」も廃れ、インターネット…パソコン…スマホ…。技術革新のスピードには、目を見張るものがあります。
この曲のテーマはとても普遍的で、今に通じるものがあるからこそ、人を魅了し続けるのかもしれません。
テクノロジーの素晴らしさと危険さ、時代の移り変わり…。
なんだか心に訴えかけるものがあるなぁ。
そして。
私は音楽の専門的な知識は全くありませんが、この曲は音楽界にとっても、新しい音楽ジャンルであるニュー・ウェーヴやシンセポップ(テクノポップ)のはしりとして、新時代を象徴するような曲だったようです。
こういう所も才能があるというか…。凄いなぁと感じます。時代の一歩先を行くようなことって、なかなか出来ないですよね。
ということで。明るく楽しい音を聴きたい時にもおすすめな、この時代を知らない世代でも楽しめる1曲です。ヘッドフォンで大きな音で聴くと色んな音がして楽しいですよ。
以上、トレヴァー•ホーンやこの曲の凄さや魅力を語ってみました。!
最後に
この曲の…女性の「ウーワウーワ」というコーラスが、頭に超残る。この曲を聴くと、暫く頭でず〜〜っとかかってます。なかなか離れません。鼻歌でずっと歌うことになります。
ある日、この歌を鼻歌で歌っていたら、年上の方にそれが聴こえたようで(鼻歌を歌う声が大きすぎて迷惑だろっていう話は置いておいて)、「なんでそんな古い歌を知ってるの?!」と言われました。
そしてその日から、「昭和臭がする」と言われ続けています。昭和臭か〜。
でも、この曲を始めとする洋楽は、古い感じが全然しないですよ。
というか、良い曲に時代なんて、関係ないですね!