大切な人との別れ、死別を乗り越える。おすすめな洋楽曲まとめ3選
2020/10/30
スポンサードリンク
大切な人との死別を経験した時におすすめな洋楽曲を知りたい。
そんな疑問にお答えします。
- Unforgettable
- Drops of Jupiter (tell me)
- 「笑って」:Smile
- おわりに
この記事を書いているのは、留学経験あり翻訳者。
音楽、特に60-80年代の洋楽が好きです。
そんな洋楽好きが、別れ、特に大切な人との死別を経験した時におすすめな洋楽曲をまとめました。
大切な人との別れ、死別を乗り越える。おすすめな洋楽曲まとめ3選
最愛の人とのお別れ、喪失感で悲しい時にも勇気をくれるのは音楽だと思います。
これから前を向く気持ちを応援してくれるような、素敵な曲であるだけではなく、勇気が出るエピソードを持つ曲を3曲、まとめてみました。
おすすめ1. Unforgettable
元々はジャズピアニストでもあった、Nat King Cole(ナット・キング・コール) による1951年の名曲です。
この曲は、40年後の1991年、Nat King Coleの娘、Natalie Cole(ナタリー コール)によってカバーされ、再び注目を集めました。
今回は娘のNatalie Cole(ナタリー・コール)さんの方に焦点を当てていきます。
父親で、偉大なジャズピアニストであったNat King Coleが亡くなったのは1965年。
娘のNatalieは1950年生まれですから、ちょうど15歳の時にお父様が亡くなっているのですね。
お父様が亡くなって、娘のナタリーはどう感じていたのでしょうか。
2002年、CNNのインタビューを受けた際にこんな風に話していました。
引用させて頂きます。
“I didn’t realize I was still grieving for my father at 30-something.”
訳してみます。
「私は、30代になってもまだ父親の死を悲しんでいたことに、自分でも気が付いていなかった。」
長い年月が経っても、ずっと悲しんでいたんですね…。
自分でも気がついていなかったくらいに。
その気持ち、伝わってきます。どれほどお父様のことを愛しておられたのかも、伝わってきますね…。
ナタリーは父親が亡くなってから、音楽界から一旦は離れましたが、やはりその後、自分の情熱を追って音楽の世界へ戻ります。
しかし、「キングの娘」としての期待、その重圧を避けてか、父親と同じ「ジャズバラード」は絶対に歌わず、ロックやファンクなど、父親とは違うスタイルの歌を歌っていました。
そしてヒットにも恵まれながらも、不遇の時期もあり、麻薬中毒に陥るなど、浮き沈みの大きな人生を送ったナタリーさん。
“I have been to hell and back. I have seen the edge. I have seen the dark side of life. “(― 2000年のABCのインタビューより引用)
「私は地獄へ行ったり来たりした。 人生の瀬戸際を経験して、人生の暗闇を見たわ。」
相当に辛い時期があったのですね…。
しかし、徐々に立て直して行かれたようです。こんな風に話されていました。
“I feel enough distance from the person I used to be. I’m not ashamed about my life anymore, because I’ve learnt from it.(ー 2001年、”the Guardian”のインタビューより引用)
「
昔の自分とは十分な距離ができたことを感じるわ。
私は自分の人生をもう恥じたりしていない。
なぜなら私は、そこから学んだから。」
素敵です。
こうして、様々な人生の苦難を乗り越え、年を重ねていくうちに、 “Nat King Cole’s daughter”『ナット・キング・コールの娘』として居られることが心地よく感じられるようになり、父親の曲を歌う決意ができたとか。
偉大な父親と同じ曲を歌うことをずっと避け続けてきましたが、ようやくそれを心地よく感じ、同じ曲を歌う決心がついたんですね。
ナタリー、41歳の時でした。
そして完成した、最愛の父のカバーアルバム
”Unforgettable… with Love”
は、全米ポップチャートで5週1位を記録、グラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞するなど、大ヒットを記録。
父娘の時を超えた共演が、とても感動的です。
その後、ナタリーさんは2015年の年末に65歳で亡くなられました。
しかし、美しい歌声は生き続けています。
そんなナタリーさんの有名な名言を調べていくと、ネット上にいくつか出されているものとして、こんなものがありました。
(いつどこで言われたものなのか、わからずすみません。)
“You must live your life, if possible, without regret.”
訳します。
「自分の人生を生きて。出来るなら、後悔のない人生を。」
ちょっと背筋が伸びるような、素敵な名言ですね…。
後悔のない人生、自分の人生を生きていけるように。
今は、ただこの曲に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
「忘れられない」人との死別の悲しみよりも、「忘れられない」瞬間が訪れたことへの喜びを温かく思い出させてくれるような、そんな美しい名曲です。
おすすめ2. Drops of Jupiter(tell me)
お次は、少し最近の曲より。
Drops of Jupiter(tell me)は、1993年に結成されたアメリカのバンド、Trainの代表曲です。
2001年のセカンドアルバムDrops of Jupiterに収録された曲で、2002年に グラミー賞(for best rock song)を獲得。
この曲が大ヒットとなり、Trainは一躍スターとなりました。
曲の弦楽器部分は、有名なエルトンジョンやローリングストーンズのアレンジを手がけた有名イギリス人編曲家、Paul Buckmaster(ポール・バックマスター)によってアレンジされています。
この曲。
歌詞を聴いていくと、ちょっと不思議な内容なんですが、はて?
調べていくと、この曲は、Trainのリードボーカル、Patrick Monahanが、最愛のお母さんの死について書いた歌だそうです。
Patrickにとって、人生でもっとも重要な人であったという大切な母親。
Songfacts.comによると、当時Patrickは、そんな母親を亡くした上に、歌手としても大きなヒットシングルが生み出せず悩んでいたといいます。
失意の中、彼はペンシルバニアにある、自身が幼少期を過ごした家に戻りました。
すると…そこでみた夢から、朝起きてすぐに、歌の1行目の歌詞となる”back in the atmosphere”という部分が浮かんできたといいます。
出ました!有名アーティストがよく話される内容。
「夢で見る」です。
素敵な話ですね…。その「夢」から、この”drops of jupiter”は作られていったようですよ。
TV番組、”TrueSpin”のインタビューの中から、引用させて頂きます。
Obviously, you know, loss of the most important person in my life was heavy on my mind, and the thought of “hey what if no one ever really leaves? What if she’s here but different. The idea was, she’s back here in the atmosphere.
『僕の人生で最も重要な人(母)の死は、心に重くのしかかっていた。
だけどふと、 「誰も、いなくなっていないとしたら?彼女はここにいるけど、ただ違う形になっただけなんだとしたら? 彼女はこの空間に戻ってきているんだ。」という考えが浮かんだんだ。』
亡くなった最愛の人へ、語りかけている歌なんですね…。
「ただ、違う形になっただけで、彼女はここにいる。」
そんなPatrickが感じた感覚を、曲とともに感じてみるのも良いかもしれません。
2002年にグラミー賞を受賞した際、”I’d also thank…my mom.”(天国の母親にも感謝しています)と話された姿も、とても印象的でした。
余談ですが、他にもこのTrainの曲でいえば、「Hey soul sister」という曲も良いです(Drops of Jupiterのアルバムには入っていませんが…)。
こちらの曲の方が、Trainの曲としては、日本では有名かもしれません。これも、大きな声で歌いたくなる良い曲です!
おすすめ3. Smile
これも名曲です。誰でも一度は聴いたことがあるのでは。
喜劇王と呼ばれたCharlie Chaplin(チャーリー/チャールズ チャップリン)が、映画”Modern Times(1936)”の為に作曲した1曲です。
その後、
John Turnerと Geoffrey Parsonsによってこの曲に歌詞が付けられ、1954年にはイギリスでNat King Coleが歌ったものがヒットしました。
先ほども出てきましたが、Natalieの偉大なお父さんですね。
(※ちなみにアメリカでは5年後の1959年、Tony Bennettが歌ったものが最初にヒットしたようです)
この曲はその後も、多くの著名人によってカバーされています。
キング オブ ポップ、Michael Jackson(マイケル ジャクソン)にとっても
この”Smile”はお気に入りの曲だったようで、彼のアルバム”HIStory: Past, Present and Future, Book I”の最後の1曲にも、この曲が収録されています。
この曲の綺麗なメロディを聴いていると、ただただ元気になりますよ。
そしてこの綺麗な曲の作曲をしたチャップリンの人生が、本当に壮絶なものだったことを考えると、さらに深みが増します。
チャップリンさんは、1歳の頃にご両親が離婚。
その後、お母様は精神病院へ入院され、小さな頃からお兄さんと孤児院などを渡り歩きつつ、生きていくために働きづめで、お父様はアルコール依存症で亡くなり…
本当に大変苦労をして成功された方だったと知ると、より心にくるものがあります。
深みのある素敵なメロディラインと、歌詞と、全てが魅力的ですね。
そして、この曲はそのタイトルの通り、「心が痛むときこそ、笑って」ということを優しく思い出させてくれる曲になっています。
時代が変わっても、ずっとずっと受け継がれていくであろう名曲です。
最後に
以上、大切な方との死別を経験した時におすすめな、洋楽曲まとめ3選でした。
音楽の持つパワーというのは凄まじいですよね。
夜、一人の時間にゆっくりと聴いてみるのも、良いかもしれません。