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英語の受動態(受け身)表現の使い方【面白い例文5選】

      2020/10/14

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英語の受け身(受動態)の表現の使い方を知りたい!受動態の、面白い例文を読みたいな。

という方へ、著名人のできるだけ面白い、興味深い内容の例文をまとめました。
そこから、受動態の使い方を見ていきます。
過去形、canと一緒に使われる場合、現在完了形の受動態の例文など、時制の違う例文も挙げています。

本記事の内容

  • 例文1. 文学者、ヘッセの名言
  • 例文2. アメリカの天文学者の名言
  • 例文3. (過去形): アメリカのプロ野球選手の名言
  • 例文4. (canと一緒に使われる場合): フランスの詩人の名言
  • 例文5. (現在完了形) 発明王エジソンの名言
  • by以下が省略されることが多いのはなぜ?

この記事を書いているのは、留学経験ありの英語翻訳者です。
英語力としては、TOEFL iBTの点数をTOEICに換算すると965点くらいになります。
私が英語を勉強していたときに、「あったら良かったな」と思うような内容をまとめています。
ということで、そんな英語好きが、受動態(受け身)表現の使い方を例文を使って解説していきますね。

英語の受動態の使い方【面白い例文5選】

まず、受動態表現の例文を見る前に、受動態表現の基本を簡単にまとめておきますね!

I love her.
(私は彼女が大好き)

受動態に直すと→

She is loved by me.
(彼女は私にとても好かれている)

受動態を作る基本形:
主語+be動詞+動詞の過去分詞形+by 誰か
She+is+loved+by me(誰によって)

ただし、by 以下は省略可能。
→省略されるのは、主語が明確でない場合、もしくは明確すぎる場合、さらには一般の人(皆)のことを話す場合など。

以上を踏まえて、受動態が使われている例文を見ていきます。

ちなみに全て、byが使われていない例文=byが省略されている例文です。
そして、なるべく内容が面白いもの、著名人や有名人による興味深いものを集めました。
色んな例文で、どんな使われ方をしているかを見ることができます。

例文1. 文学者、ヘッセの名言

ヘッセは、20世紀前半を生きた、「車輪の下」などで有名なドイツの文学者です。
とても有名ですよね。

そんなヘッセさんの言葉にはどんなものがあるんでしょう?

Everything becomes a little different as soon as it is spoken out loud.
― Hermann Hesse(ヘルマン ヘッセ)

by以下がないので、一瞬、「これって受動態の文章か?」と思いますよね。

どこに受動態が隠されていますでしょうか?
順番に見ていきます。

→受動態の文章は、It is spoken out loud. の部分。
とてもシンプルな受動態表現で、基本形がバッチリ使われています。

→It(主語) + be動詞(is) + 過去分詞形 (speakの過去分詞形、spoken) out

“speak out”は、遠慮なくはっきり意見を言う時などに使われる表現です。
そのspeak outを”loud“が後ろから修飾している形。

①Everything becomes a little different +
「全ては、少し違うものになる」

②as soon as it is spoken out loud.
「大きな声で話された途端に」

『全ては、大きな声で話された途端、少し違うものになる。

最初のeverythingは、全ての事=物事、という風に訳すこともできます。
→ as soon as= ~した途端に、すぐに

ヘッセさん。
話された瞬間に違うものになってしまう…か。
さすが文学者、言うことが深いですね~。

例文2. アメリカの天文学者でSF作家、カールの名言

Somewhere, something incredible is waiting to be known.
― Carl Sagan(カール セーガン)

これも順を追ってみていきます。

① Somewhere, +
「どこかで」

② something incredible is waiting
「素晴らしい何かが待っている」

ここまででも文章としては成立しますね。

しかし、ここでは「何を」待っているの?という部分が、to以下で補足されています。

③ to be known.
=「知られる/発見されるのを」
ここの部分が、受動態になっていますね。

to + be動詞(be) + 過去分詞形(knowの過去分詞形、known)
toの後には原形がくるというルールがありますから、be動詞の原形、beが使われています。

ということで、
①+②+③=『どこかで、素晴らしい何かが、発見されるのを待っているんだ。』

天文学者らしい、前向きな言葉で素敵です。
こういう好奇心に溢れる姿勢を大切にしたいです。
毎朝、こういう気持ちでベッドから起きたいですよね。

では、次は受動態の例文(過去形バージョン)を見ていきましょう。
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例文3. 過去形: アメリカのプロ野球選手の名言

When I was younger, I was always taught not to make excuses.
― Derek Jeter(アメリカのプロ野球選手)

全部の動詞が過去形になって、時制が統一されていますね!
be動詞の時制を過去形にすれば良いだけで、過去形の受動態もこんな風に作れてしまいます。

順を追ってみていきましょう。

受動態は、I was always taughtの部分。
主語 + be動詞の過去形(was) + 過去分詞形(teach→taught)

① When I was younger, +
「僕が小さかった時」

② I was always taught +
「僕はいつも教わった」

③ not to make excuses.
「言い訳をしないということを」

=『僕は小さい頃、言い訳をしないということを、いつも教わった。

“always”を入れる位置も分かる、シンプルな例文です。

幼い頃からずっと、言い訳をするなと教わってきた。
ついつい言い訳してしまう時ってあるからなぁ…
失敗しても何しても、言い訳をしない姿勢というのは、すごく役に立ちそうです。
その姿勢があったからこそ、プロ野球選手になれたんでしょうか?

例文4. canと一緒に使われる場合: フランスの詩人の名言

ではでは、”can”「~できる」と共に使われる場合はどうでしょうか。

Nothing can be done except little by little.
― Charles Baudelaire(フランスの詩人、評論家)

受動態になっているのは”Nothing can be done”の部分。
主語+ can + be動詞+ 動詞の過去分詞形(do→done)

toの時と同じく、canの後の動詞は原形にするというルールがありますから、beになっています。

① Nothing can be done +
「何も成し遂げられない

② except little by little.
「少しずつやる以外に」

=『少しずつでないと、何も成し遂げられない。』

nothingの意味は「何も…ない」。
否定の意味が既に入っていますから、nothing can be doneとなると「何も成し遂げられない」になります。
そしてその後に”except little by little =「少しずつする以外は」が続くので、文章の意味が見えてきます。

何を成し遂げるにも、少しずつ。!
勇気づけられます。

→ little by little=少しずつ、徐々に

例文5. 現在完了形: 発明王エジソンの名言

最後に、誰もが知る発明王エジソンの言葉を例にとってみます。

The best thinking has been done in solitude.
The worst has been done in turmoil.
― Thomas A. Edison(トーマス エジソン)

これ、現在完了形の受け身の文章なので、少し応用編です。

順番に見ていきます。

現在完了の受動態を作りたい時は…

(主語)+(have/has)+ (been) +(過去分詞)

現在完了のhas/haveが入った場合は、be動詞が「been」(過去分詞形)になる。

これを踏まえて見てみると、あぁ、受動態の文だな、ってわかりますので…
あとは、単語のそれぞれの意味がわかれば、訳せそうですね。

→ solitude= 孤独
→ turmoil= 混乱、騒動など

=意味: 『最上の思考は孤独の中で生まれ、最低の思考は混乱の中で生まれる。』

訳せました!

by以下が省略されることが多いのはなぜ?

ここで、少しby以下について考えて見ます。

よく教科書で載っている「by誰々」で主語を表すという表現、
最初に紹介した例文では、She is loved by me.のby meの部分ですが、このエジソンの言葉でもby 以下の記述はありませんよね。

しかし、なんででしょう?

その理由を、このエジソンさんの例文を使って、考えてみます。

仮に、この文章の主語が「エジソン (Edison)」本人だったと仮定してみましょう。

その場合は最後にby Edisonが付けられて、こんな内容になります。↓

The best thinking has been done in solitude by Edison.
The worst has been done in turmoil by Edison.

訳をつけてみます。

エジソンの最上の思考は孤独の中で生まれ、
エジソンの最低の思考は混乱の中で生まれる。」

こうしてみると、とても限定的な文章で、単純にエジソン本人の思考についての解説になってしまい、名言でも何でもなくなってしまいました。

いや、知らんがな。

こんな声が聞こえてきそうです。
主語が限定されると、すごい違和感になりますね。

…エジソンさんは、「エジソン=特定の誰か」に限った話をしているわけではないというのがよく分かります。

ということで、これは、文法書やよく教科書などで書かれる『主語が「一般」の場合』にあてはまります。
別に特定の誰かに限定された話ではなく、主語が「一般」なので、「by誰々」の部分が省略されていると。

こんな理由で、受動態の文章では結構な確率でby以下が省略されていることが多いです。
気をつけて見てみてください!

おわりに

時制が違ったり、パターンが違ったりする中での「受動態(~される)」の使い方と意味を、例文とともに見てみました。

「by誰々」の部分は省略されることが多い、というのもよく分かりますね。

受動態のルールは至ってシンプル。
基本形を覚えておくことで、応用がききそうです。

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